鵜の木便り

東急多摩川線好き過ぎて沿線の日常を報告しちゃいます。

今日は区長・区議会議員選挙の投票日!新空港線の整備について思うこと

大田区議会議員選挙の立候補者たちが新空港線の整備についてそれぞれ意見を主張しています。推進を主張する候補者もいれば、推進反対を主張する候補者もいます。当然のことながらどちらが正しいのかはわかりません。

しかし、新空港線を整備しさえすれば、新空港線(その多くは東急多摩川線)沿線が賑わい、活気に繋がるだろうと言うのはやや飛躍的かなと思っています。それは恐らく新空港線の整備推進派も同じと思いますが。

空港線整備推進派の主張は、概ね次の通り整理できます。

まず、現状認識として、蒲田は羽田空港から最も近い都市の一つであり、羽田空港の旅客を中心とした利用者増大の恩恵を受けられる立場にありながら、それが十分ではない、ということがあると思います。それは例えば再開発が進む品川やその近辺等との比較において特に言えることなのでしょう。

次に、その理由として羽田空港からの鉄道アクセスが不便であることが挙げられます。というのは、羽田空港から京急蒲田駅までは直通だが、ご存じの通り、京急蒲田駅と東急とJR蒲田駅間は1km程度離れており、これが不便だというところだと思います。

そして、それを解消するのが新空港線の整備だという論理構成です。京急蒲田駅と東急・JR蒲田駅間の不便さを解消する新空港線ができれば、羽田空港利用者の恩恵が蒲田駅周辺でも享受できる、このような構想にあるものと思います。

私個人の理解としては、やはりこの理屈自体は成立しているように見えて実は成立していないのではないか?と感じます。

極端な話をしますが、仮に不便であったとしても蒲田という街自体に魅力があれば不便であっても人は集まってくると思うんですよね。例えば、京急蒲田駅から東急・JR蒲田駅間は歩いてでも通りたい、と思ってもらえるくらい魅力があったらどうでしょうか?

そして新空港線の整備により羽田空港からの鉄道アクセスがよくなったらどうなるでしょうか?羽田空港で降りたお客さんは蒲田で降りて、周遊するでしょうか?多分ですがしないと思います。東急線を通じて都心方面のアクセスが改善されるので、素通りされる確率の方が高いのではないでしょうか?

目指している街の方向性やポジションが異なるので単純に比較はできないのでしょうが、JR浜松町駅を思い浮かべてみてほしいと思います。JR浜松町駅羽田空港から東京モノレールが接続している山手線の駅です。しかしそれでは浜松町駅が特別に観光客で賑わう街かと言うとそんなことはないと思います。

だから、大切なのは鉄道アクセスではないということです。新空港線の整備を通じて、建設に携わる土木建築業者や、乗客が増える(と思われる)東急電鉄あるいは京急電鉄にはメリットがあるかもしれません。しかしそこに多額の税金を投入する前に、大田区の中心的な都市である蒲田を発展させるのであれば、他に手段はあるはずで、新空港線の整備一択になっていることに対しては疑問を感じています。

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